回転する手品師

意味はない

黒い椅子とシルクハット

2018年はとてもしんどい年でした。

 

まず、6月半ばまではずっと動画を作っていました。常にやっていたということでも無いのですが、延べ日数でも3ヶ月近くは動画に関するなにかをしていたと思います。2017年まで含めるともっと。何か別のことを始めようかと思うと「こんなことやってる暇があったら動画作れよ」と誰となく言われている気がして、重さのあるタスクはほとんどできませんでした。確かにその間、ちょくちょくと手品技法を作ったり、手品本を買ったり、道具を買ったりしていますが、それらは全体から見たら誤差みたいなもんです。2018年の半分を、私は自分の世界に閉じこもって、それをアウトプットする事だけに執心していたような気がします。その期間の世の中のこと、そういえば記憶にありません。

その後はあからさまな燃え尽き状態になって、積んでいた本やゲームを消費しながら生きていたと記憶しています。

8月中頃にマジックマーケットに遊びに行きました。ああそういえば作品集に1作品寄稿してましたね。不可能手品でしたが。あれ、できなくはなさそうな技法難易度と魅力的な現象に騙されて練習を始めるも全く未来が見えずに絶望する、ってとこまで含めてクソネタなんですがさすがに説明が足りませんでした。それはともかく、マジックマーケットに参加をして、色々なものに触れて、財布の紐を緩めて色々と買いました。これで手品熱もまた再燃するだろうと思っていましたが、結果から見ればそんなこともありませんでした。もっと根本的な部分の、執念のようなものがポッカリと失われているのだと思い知りました。

手品は好きです。けれどその好きは、成長したいとか、新しいものを知りたいとか、何かを生み出したいとか、そういう方向のものでは無いようでした。昨年までは何だかんだ時間を見つけてはイベントに行ったりしていたのですが、2018年はマジックマーケットにしか行っていないというのも嫌な感じです。手品に対して惰性という態度を取るのは初めてではありませんが、いつになっても慣れません。嫌な感じです。そんなグズグズとした気持ちのまま数ヶ月経ちました。気になる本を数冊買って積んだりしています。手品はしていません。2018年はFISM開催年でもありましたし、国内外色々と賑わっているように思いました。多分その中に自分は居ないのだろうなと思いながら、目立たない隅っこの方に、まだ必死にしがみついているつもりです。目立たないものですから、幸い蹴落とそうとする面倒な手品オタクにも出くわしていません。

2019年も、手品をしている風を装って、これまでの貯金をコツコツ崩しながら、必死にしがみついていこうと思います。もしどこかで見かけたら、よろしく言っといて下さい。