回転する手品師

意味はない

これは自分を追い込むために言うだけなので何も期待しないでほしいんですが、もし次の某ケがオンライン開催なら、3%くらいの確率で何か出します。オフラインだとそもそも参加できるのか怪しいので出ません。オンラインでも97%の確率で出ません。多分途中で頓挫するので。でもやれるだけやります。

気が早いですが年末振り返り記事のお時間です。

何かやっています。と言うとやっている事がまるで意味のある事かのように聞こえてしまうので、あまり言いたくはないのですが、一応何かやっています。意味はないかもしれません。あわよくば年内に形になるんじゃないかと思っていましたが、時期的にもう無理そうな感じで、ここから年末までに何らかの進展も(精神的に)見込めないので、いっそ振り返りを書いてしまおうという次第です。でも今年はその何か以外は特に何もやってません。リアルの生活がかなりつらいのもあって、余暇は基本的に寝ています。ちなみにその何かについても現状やる気が消滅して積んでいます。以上。

来年も死なないように努力します。

 

ひとつひとつの現象を大切にしろというのは、ひとつひとつの現象に時間をかけて丁寧に演出しろということでは無いと思う。現象にはそれぞれふさわしい演出が存在するだろうし、それらは決して一意に定まるとも限らない。演者のキャラクターや演ずる環境などで最適解は変化する。その中にはさらっと流すような演出が最適になる場合だって無数にある。

ずっと放置してたので更新します。

 

最近レクチャーノートの表紙の画像を作っています。と言うと勘違いされそうなので付け加えておきますと、中身は作っていませんし作る気もありません。表紙だけです。

ずっと前から手品っぽいテーマの撮ってみたい写真がありまして、それをどうにかして撮ろうと最近苦難しています。ぶっちゃけその写真自体は撮るのはさほど難しくないです。ただ、自分以外に手伝ってくれる人が必要だったり、そこそこの機材が必要だったりして、じゃあそこまでして撮りたいかと言われるとそうでも無かったので、わだかまりを抱えたまま放置していました。その解決策、つまり、ひとりで、自宅で、そこそこ安価に撮れそうなアイデアが浮かんだので、掘り起こしてあれやこれやと試しています。

ちなみにその写真、そもそも写真として撮らずとも、フォトショで簡単に作れる部類でもあるはずです。じゃあなんでそうしないのかと言うと、私が1枚の写真として撮りたいからです。このこだわりについては、「動画編集すればええやん」みたいな内容をわざわざテクニックとギミックを駆使して苦労しながら手品動画を作る手品オタク諸氏には言わずとも理解してもらえると思います。撮りたいんです。だから撮ります。

で、具体的に撮れそうとなったとき、具体的な色々を考えていく内に「レクチャーノートの表紙っぽいな」と思い至り、その方向に軌道を寄せてしまったので、今撮ろうとしているのは紛れもなくレクチャーノートの表紙です。のんびりやってるのでまだまだかかるとは思いますが、夏までには終えたいですね。

 

その画像をどうするかは完成してから考えます。もしかしたら表紙を消化するために何か作るかもしれませんが、私自身レクチャーノートを作る事に興味を持てない、というより、レクチャーノートを売るという行為で手品界隈に接触するのは気が進まないので、まだなんとも言えません。某ケットの賑やかしに参加するのも悪くないんですが、あのイベントオンラインになってから窮屈さが激増したように思うので、なんかこう、なんとも、うーん。

師走になったことを自覚するといそいそと書き始める年末振り返り記事の季節になりました。皆さまいかがお過ごしで。今年も相もかわらず何もしてません…と雑に100文字くらいで済ませようと思ったのですが、さすがにそうもいかないので今回はちゃんと書きます。

 

半年ほど前にコインマジックの技法、フレンチドロップの中級者向け解説を無償公開しました。その内容が正しかったかどうか、という部分は正直言ってあまり興味ありません。私自身、世の技法解説の大半は嘘と省略と後付け(それが自覚的であるかは別にして)によって信頼できないと思っていて、にも関わらず自分の解説は絶対的に正しいなどと思うのは傲慢でしかないでしょう。私もきっと、無自覚に嘘をついているのです。また、あのフレンチドロップは少し特殊な調整を採用していますから、合わない人も多いでしょう。だから解説内容自体はどうでも良いのです。

ただ、採用した解説形式については、受け手がどう感じたのか結構気になります。浅学ゆえに過去にあの形式がどの程度採用されているのかは知りませんが、少なくともメジャーな形式ではないでしょう。

現在、技法解説の手法は文章・映像・口頭のいずれかであり、コンテンツとして広く消費されるものは文章か映像媒体に限られますが、私は、文章と映像は技法解説に適していないと思っています。技法の構造は大抵の場合とんでもなく複雑であり、文章や映像は順を追って説明するのに向いていても、俯瞰的網羅的に説明するのには向いていないことが主な理由です。例えば、技法を左右の手の動きに分解してそれぞれ説明する、という解説の仕方がありますが、実際の技法は大抵の場合互いの手が複雑に連動しあっていて、本来は動きを左右に分解できるような代物ではありません。それでもそんな解説が多用されるのは、文章や映像が「順」に支配された情報媒体であり、要素の複雑な関係を説明するには向いていない媒体のため、無理矢理にでも分解して順序立てて整理しないといけないからです。技法解説を作ったことある人、全員が「本当は違うんだけどなあ」と思いながら左右の手に動きを分解してると思ってるんですが、どうでしょう。本当にその解説納得できてます?そこのあなた。

だからと言って私が解説で採用した形式が最適だとは思いません。納得いかない部分はいくらでもあります。けれど少なくとも文章や映像よりは技法解説に適していたと思います。長くなるので何がどう優れていたと思っているのかは語りません。というかちゃんと優れているのなら語るまでもなく理解されているはずですし、うん。

作り手としてあの形式の嬉しいところを挙げておきましょう。とにかく楽です。あの内容を文章と挿絵で解説しようと思ったら10ページは軽く超えるでしょう。カメラに向けて喋ったら30分以上かかってもおかしくありません。10数ページの文章を書く手間。30分の台本を作って収録する手間。それに比べて採用した形式は手元を収録してメモ書きを加えるだけ、しかも説明は全て並列しているから各々の動きの関係は破綻しない。なんと楽なことか。というか実際めっちゃ楽でした。文章解説でどういう構成しようか悩んでた私の数年はなんだったんだ。

ただ、当たり前ですが欠点もあります。利用可能な環境が特殊であること、これは言わずもがな。初心者向けの解説に向かないこと、パンクするでしょうね。動き自体の説明と理屈の説明が離れていること、私の場合はDLさせたものと補足記事という死ぬほど離れた場所に配置しましたが、時々見かけるDVD+付録冊子みたいな形式だったとしても、あまり褒められたやりかたではないでしょう。全然関係ないけどDVDとかいう前時代の遺物を使うのいい加減やめてくれ手品界隈よ。

あのフレンチドロップの解説、特殊な形式でしたし、コンテンツとしての完成度も高くなかったですし、個人的にもあくまで実験として作ったという扱いです。将来性を感じないこともないですが、お金取るなら適切なアプリ開発しないとダメでしょうね。字幕の個別on/offとか字幕のグループ化とか注釈機能とかn倍速再生とかレベル設定とか、いくらでも思いつけそうだなこれ。一応最低限他人に見せられるものにできたので個人的に納得はしています。

あと、しょーもない話をひとつ。あのフレンチドロップの解説内容のターゲットがかなり謎です。基本的動きができる人≒中級者向けの解説なんですが、これ具体的に説明すると「教科書的な動きは理解してるし人前でも普通にやれるけど、この技法のポテンシャルを引き出しきれてはないよなあ」くらいのレベル帯を想定しています。狂ってないマニアならば、おおよその技法はこのくらいの完成度で停滞していることでしょう。身に覚えあるはず。問題は、フレンチドロップが一般的に簡単な技法扱いされていることです。コインマジック三大基礎技法然としてるけど実は死ぬほど難しい技法と言えば、クラシックパーム、トスバニッシュ、シャトルパスの3つで、これらの技法は停滞していることに自覚的である人が多い印象です。しかしフレンチドロップは、自覚してない人がそれらに比べて多いです。加えてそもそもコインマジックがマイノリティであること、クラシックパームとトスバニッシュに打ちのめされてフレンチドロップまでたどり着ける人がさらに少ないこと、フレンチドロップに自分なりに結論を見つけて納得している層がいること、これらを考慮すると、フレンチドロップに対して「できるけど納得いってない」という人がどれほどいるのか。さほどいないんじゃないかな。なので、多分解説内容あんまり役に立たないと思います。ごめんね。

 

年末振り返りなので他の事にも触れておきましょう。

今年は手のコンディションが常に悪かったです。乾燥と手荒れと湿疹と怪我が延々ループしてました。これ書いてる師走のいつぞや時点は乾燥で死んでます。コイン保持できないしオーバーハンドシャッフルもできません。そういえば右手薬指がバネ指になりました。何年か前は左手薬指だったんですが、そっちはいつの間にか治ってて、いつの間にか右手に移ってました。バネ指が移るってなんだよ。おかげさまでレストポジションができません。クラシックパームの派生技法もそこそこ死んでます。まあここ数年その辺の技法使ってないからいいけど。いやよくはないけど。

今年はテーブルファロー、エスティメーション、ザローシャッフル、ダブルプッシュオフとかその辺を練習してた記憶があります。どれも成果はあんまり芳しくないです。テーブルファローの下3枚くらいがどうやったら噛むのかマジでわかりません。運ゲーか?

それから、1年以上悩んでいるとある現象に今も悩み続けています。98%クソネタなんですが、いかんせんまともな作品になる可能性が極僅かにあるせいで死ぬほど悩んでいます。電子制御もしくは手足に紐くくりつけて2動力を任意制御したらいける、というとこまではきたんですが、さすがにそこまでやる価値はない現象なので、省力化できたらなあってとこで止まってます。あるいは現象解釈自体を変えるのも手なんですが、今の現象解釈が個人的にかなり好きなせいで、代替しようと思える良い現象解釈が思いつきません。誰か助けて。

技法とか手品そのものをどういうバランスで配置すべきか、みたいな部分についてすこし進展がありました。正しい間違ってるという部分ではなく、自分のスタイルとか好みとかそういう視点のものですが。目指したい先の霧が少し晴れ、でも視野は狭まったような気がします。過去に同様の考えが存在しているらしいことも分かって、あながち独りよがりなものでもないだろうとは思っているので、しばらくはこれベースにこねこねねりねりしてみようかなと。そもそも具体的にやりたい事あんまりないんですけど。

 

今年はこんなとこですかね。なんだかんだ結局あんまり手品やってないです。未消化資料が増え、具体的な目標も失せ、興味が少しずつ自分の内側へ向いてゆき、これじゃあダメだと自覚しつつも、捻じ曲げるだけの熱量は私の中にはもう無いです。あーでもこんなこと毎年言ってる気がするな。変わらないね。